子どもに多い症状/女性に多い症状

夏バテは自律神経失調症の一種

夏バテの代表的な症状は

全身が怠く、疲れが取れない、胃腸の調子が悪くなり、食欲がなくなる
疲れているのに、夜、眠れない等、これらの夏に多く出てくる体調不良を指しますが、

医学的な定義はありません。これらは自律神経失調症の症状でもあります。

私たち人間の体のほとんどの器官は、
脳にある自律神経の中枢でコントロールされています。
呼吸、消化吸収、血液循環、体温、心拍数、これらは自律神経が調整しています。

私たち人間が考える、動く、食べるなど、様々な生命活動をすると、
自律神経中枢の細胞で活性酸素が発生し、酸化が起こります。

酸化≒疲労 です。

生活の何かがきっかけで自律神経中枢の働きが過剰になると、
疲労の回復が追い付かなくなってしまいます。

神経細胞がサビついた状態、

つまり、自律神経失調症です。

 

 

夏に自律神経をバテさせる3つの要因

1、「暑さ」

夏バテの原因が「暑さ」、なんて、当たり前だと思うかもしれませんね。
ただ、その暑さがどのように体に影響を与えているか、ということを見てみましょう。

暑いと、汗をかきますね。
汗が蒸発する時に気化熱として、体の熱を放出して、一定の体温を保っています。

これは自律神経の働きで出来ています。

夜寝ている間も大量の汗をかいていることを考えると、体温調節のためにフル稼働している状態です。
夜も自律神経は活発に動き、休みにくく、疲れが溜まってしまいます。

暑くて大量の汗をかく夏は、常に自律神経が酷使されていることになります。

また特に、日本の夏のように多湿の場合、汗の蒸発が妨げられ、発汗異常も起こりやすいです。
汗が上手く出せないと、体内に熱がこもって体温調整が上手くできなくなります。

「同じ暑さでもハワイは心地よい」という人も多いですが、
日本の湿度が体に更に負担になっているからとも言えますね。

2、寒暖差

寒暖差も2つに分けられます。
1つは朝晩と日中の寒暖差です。
熱帯夜のこともありますが、
早朝と真昼では気温差が大きいです。

2つ目は、冷房による寒暖差です。
通りを歩いていて、コンビニに入ると「ヒヤッ」として
とても気持ちいいですよね?

それだけ外気温と店内の温度に差があるということです。
実はあの「ヒヤッ」の瞬間に体は変化をキャッチして
その調整のために一瞬で働いているのです。

また室内でも上半身と足元では温度差があります。
冷たい空気は下に溜まります。
冷え性で悩む女性は、夏でもブランケットを足元に掛けていますよね?
冷房の効いた室内にいると、足元が冷えやすいのです。
下半身が冷たくて、上半身が暖かい、それは「のぼせた状態」。

一日の中で、何度も何度も大きな温度変化に対応しなければならないと
自律神経には負担が掛かります。

3、紫外線

夏は1年のうちでも紫外線量が最も多くなる時期です。

紫外線を浴びると、活性酸素が体内に発生します。
この活性酸素は疲労の原因です。

  • 海やプールに出かけた時に、泳いでもいないのに疲れる、
  • また子供の運動会で、自分は見ていただけなのに疲れるのは、
    紫外線を浴び、体内に活性酸素が発生していることが原因です。

紫外線は反射、散乱しやすい性質があるため、日陰でもアスファルトなどから反射して
人の体に届きます。

車内は気付いている方も多いでしょうが、
室内に置いても、知らず知らずのうちに浴びていることが少なくないので注意が必要です。

疲労回復に向けてのカギは「睡眠」

体の疲れを軽減することは、食事の工夫、ストレッチなどで多少は出来ます。

しかし負荷を減らすだけでは体が楽な状態になりにくいです。
実際に疲れを回復させるスピードも上がる必要があると考えています。

しかし、活性酸素が自律神経の中枢をサビさせtてしまった時、
最も早く回復できるのが睡眠といわれています。

負荷を軽減+回復力を上げる

しかし、体の疲労を回復させるには当然、「長く眠ればいい」という訳ではなく、睡眠の質も大事です。

良い睡眠を取ることが出来ると、出来るだけその日のうちに疲労を回復できます。
夏バテの予防、解消になります。

①太陽の光で眠りの下準備をする。
目覚めた後に、しっかりと太陽光を浴びると、眠気が飛ぶことは想像できるでしょう。
実は同時に、夜もぐっすりと眠ることに繋がります。
その仕組みは・・・

朝の太陽の光→心の安定や覚醒に作用するセロトニンが分泌→
14時間~16時間後→セロトニンが眠気を誘う「メラトニン」となる。

メラトニンは一般的に、睡眠ホルモンとも呼ばれ、脳に眠りに適した体内環境を整えてくれます。

直射日光を浴びなくても大丈夫です。
部屋に窓から差し込む優しい光で大丈夫です。

厳しい暑さの中で無理に外に出ることもありませんが、
太陽の光のリズムに合わせて生活することは大事です。

②朝ご飯で自律神経の目覚めを!
朝ご飯を食べて、胃の動きが活発となることで、内臓を動かす、自律神経が目覚めます。

活動のスイッチが入るのです。自律神経を起こしてあげることで、体の働きが良くなります。

三食、バランスよく食べることはもちろん大事ですが、
まず、「朝」に何かを食べることで、自律神経を目覚めさせることが出来ます。

③ぬるめの風呂をとる

よい睡眠を取るには、「入浴」も大事なポイントです。

・熱いお風呂に入ると、汗をかき、自律神経が疲れます。逆に疲れやすくなります。

・シャワーで簡単に汚れや汗を落とすことは、上記のように自立神経を疲労させないためには
良いのですが、やはり毎日、5~10分ほどは湯船に入るのが効果的です。

温度は38~40度くらいのぬるめのお湯が良いです。
ぬるめのお湯は疲れを溜めず奥底の深部体温を上げることができます。
深部体温を上げてあげることで、血行が良くなり、また深い眠りに入りやすくなります。

また、湯船につかると、全身に水圧がかかり、筋肉に優しく働きかけます

筋肉には優しい刺激が加わると弛緩するという性質があるので、入浴により、全身の筋肉が弛まり、
疲労が解消しやすくなります。

④少しの運動で疲れを軽減する

「疲れているのに、運動で疲れを取る?」って変だと感じるかもしれませんね。

運動が睡眠に与える影響はまだ解明されていませんが、
運動習慣がある人はない人に比べて、睡眠に満足している傾向があります。
血流が良くなるからではないかと考えられています。

デスクワークや車の運転を長時間する等、同じ姿勢をずっと取り続けると血流が悪くなりがちです。
これは疲労物質が体内に溜まり易くなってしまいます。

ストレッチなども良いですが、最も効果的なのは「歩く」ことです。
足の筋肉を動かすことで、血流が改善します。
歩くことで、足の筋肉が血液の周りで乳搾りをするように伸び縮みすることで
血液が心臓に送り返されます。

ただ、仕事後に余り激しい運動は逆効果です。
一日ずっと仕事をし続けると、自律神経にかなり負担が掛かります。
集中と緊張で自律神経は疲れ、更にパソコンにより眼精疲労をはじめ、
肉体的にも負担が掛かります。

その上で、激しい運動をすると、疲労をため込むことになってしまいます。
気分転換のつもりでも、肉体的に過度なストレスになり、自律神経の乱れを
招きかねません。

⑤紫外線はしっかり予防
夏バテの要因の一つに挙げた紫外線。
紫外線をしっかり予防しましょう。

有効なのがサングラスです。目から入る紫外線による活性酸素の発生を防げます。

マラソン選手がサングラスをするのは、まぶしさのためでだけはなく、
紫外線を避け、疲れを溜めない効果もあります。

⑥睡眠環境を整える
睡眠の質を上げて疲労を回復するには、まず、大量の寝汗を押さえることが大切です。

なぜなら、先にもお伝えしたように汗は自律神経の働きでコントロールされています。
眠っている間に沢山の寝汗をかくと言うことは、自律神経を酷使している状態で、
寝ている時に運動しているような状態になってしまいます。
疲れを取るための睡眠が、夏バテの原因になりかねません。

エアコンの風が直接体に当たらないように調整して、睡眠環境を作りましょう。

まとめ

猛暑日が続くと、誰でも体に疲れが溜まり、「夏バテ」となりやすいです。

1日、2日、しっかりと休息をとっても回復しないような場合、体の回復力もかなり低下して、
体自体が「どこから、どう回復して行けば良いか、分からない」と言うような状態に陥っている可能性もあります。
自律神経失調症の状態です。

自律神経も乱れていると、回復に時間が掛かり、
休んで体力を回復したとしても、また再び少し負荷が大きくなると
同じような症状を繰り返すという悪循環にはまってしまいます。

暑さを物理的にしのぐ方法はいくらでもあります。
しかし、根本的に夏バテを予防し、夏バテになってしまった状態を
回復していくには、「睡眠」が重要です。

自分の体を回復させるのは自分の回復力しかありません!

「暑さ」が目に見える肉体だけでなく、
目に見えない自律神経にも影響を及ぼしていることを認識しておくだけで、
日常生活で注意して過ごせることが増えるのではないでしょうか?

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